建設業許可における営業所とは?
2022年8月13日
建設業の許可を取得するにあたって、営業所という言葉が非常に重要になってきます。
この営業所という言葉の意味や定義を理解していないと間違った申請をしてしまうことになり、許可を取得することができなくなります。
大臣許可と知事許可
建設業の許可の区分には大臣許可と知事許可があります。
この2つの許可の違いは、営業所をどこに配置するか(配置状況)によって違ってきます。
大臣許可 | 知事許可 |
2つ以上の都道府県に営業所を設けて営業しようとする場合 | 1つの都道府県のみに営業所を設けて営業しようとする場合 |
許可行政庁は、本店の所在地を所管する地方整備局長等 | 許可行政庁は、営業所の所在地を管轄する都道府県知事 |
というように営業所の配置状況によってそれぞれ大臣許可を取得しないといけないか、知事許可を取得しないといけないか変わってきます。
甲県 | 乙県 |
A営業所(本店) | A営業所 |
B営業所(本店) | |
B営業所 |
※参考元 近畿地方整備局・建設業許可申請の手引き
上記の表の場合A社は大臣許可、B社は甲県の知事許可となります。
ここで注意しないといけないのは、大臣許可と知事許可の違いは営業所の所在地で区分される違いでしかないので、知事許可でも建設工事の施工は日本全国どこでも行うことができます。
建設業許可における営業所とは
建設業許可における営業所とは下記のものが該当します。
|
建設業法第三条には、「営業所とは本店又は支店若しくは政令で定めるこれに準ずるものをいう」と書かれています。
また、建設業法施行令第一条には「政令で定める支店に準ずる営業所は、常時建設工事の請負契約を締結する事務所とする。」と、なっています。
また、国土交通省の建設業許可事務ガイドラインでは、大臣許可と知事許可の場合における営業所は、
|
と、なっているので、許可を受けた業種については、軽微な建設工事のみを請負う場合であっても、届出をしている営業所以外においては、当該業種について営業することはできません。
そして営業所の範囲については、
|
と、なっています。
逆に言えば、建設業に係る営業に実質的に関与しない場合は、ここにいう営業所に該当しないことになります。
例えば、建設工事の請負契約業務などを行っていない単に登記上だけの本店や支店、資材置き場や倉庫、建設工事の現場事務所、社員寮などは営業所には該当しません。
まとめ
ここまで見てきたように、建設業許可を取得する上で営業所の意味や定義を理解することが非常に重要だということがおわかりいただけたと思います。
建設業許可を自身で取得するなら建設業許可の手引をよく読んで理解した上で申請するか、毎日仕事で忙しくて手引を読む時間がない方は、弊事務所までご連絡ください。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。